レースレポート
●2000年11月24〜26日 WORLD CUP KART RACE IN JAPAN ツインリンクもてぎ
・ICAクラス ドライバー:松本真哉
いよいよ、初の国際レースだ。
全日本後半戦は、タイムは出ているのに、つぶされてたり運に見放されたりと、つらいレースが続いてしまったが、最後のチャンスに何とか結果を残さないと。
でも、はっきりいって、いくらがんばっても結局報われないという無力感が拭えず、かなりつらい。
とにかく、それでもがんばって、あきらめないでやるしかない。
今回は、最後ということで、練習セッションの流れなども書いてみます。
興味無いひとはレースのとこだけ読んでね。
木曜日
ワールドカップは3dayで行われるため、木曜日から入らないとセットアップができない!!
2日休みを取るのは社会人としてはつらいのだが、まあ、仕方ない。
・・・って、自分は仕方ないにしても、ワールドカップって事で、メカニックの入江さんにも休みとってもらっちゃいました。(入江さんありがとうございます!!)
木曜は4セッションと少ないので、必要なことをしっかり選別していかないと、セッティングが出せない。
今回の使用フレームはARROW AX7−B。前回、東西統一戦でテストしたときのデータを元にして、走り始める。
ICAはFA、FSAの後なので、はじめのセッションからそこそこセットアップできるかと思いきや、路面はさらさら。砂が浮いて、全然グリップしない。
とりあえず、ナラシの後半が残っているエンジンをとばし、新品タイヤを履く。
久しぶりのBSハイグリップだったが、路面が悪すぎて、わずかしかタイムが上がらないし、マシンの動きも変わらない。どうもフレームのセットアップはできそうに無いので、さっさと上がった。
2セッション目は、登録予定のエンジンのチェック。20分強のセッションなので、2機ともチェック。
やはりいつもメインにしているエンジンが調子がいいようで問題は無し。
路面のグリップが上がってきてフレームの動きが良くなってきた。
3セッション目になると、路面は非常に良く、気温当の条件もいい状態。
4機目のエンジンを乗せて走る。
ARROWの特徴なのかもしれないが、グリップが上がってくると、動きがぐんぐん良くなってくる。
インフィールドの動きも良く、タイムもまずまずではあるが、走っている感じではもっと出ているはず。
きいてみると、インフィールドは速くなっているが、ストレート区間のタイムが良くないとのこと。
いまいちエンジンが伸びていかない。
4セッション目。ストレート区間が伸びないのがエンジンのせいなのか、フレームのせいなのか確認するために、違うエンジンを乗せて、セッティングは同じで走り出す。
さらに、ピットインしてリヤを固める方向で1〜2コーナーの動きも良くなった。が・・・
やはり、伸びはいまいち。
どうも、エンジンのトルクバンドなどにいまいちあっていない感じなのか?
とりあえず、原因は明日のフリー走行で究明ということになってしまう。
そういえば、コーナーをうまくまとめているのにたち上がりでいまいち前との差がつまらない。
やっぱり中間加速に谷がある?
金曜日
天気は快晴。朝は車の窓が凍るくらいの寒さだったが、昼になると日差しでかなり暖かかった。
第1セッション
セカンド登録予定のエンジン。
走り出してみると、なかなか調子がいい。寒いからかもしれないが、19000回転までがんがん回る。
ここまでワールドカップ用にφ27(?)のインテークパイプを使っていたのだが、通常のφ22のノイズボックスに交換してみたら、どうもノーマルのほうがいいようだ。φ27は低速のツキはいいようだが、中速がいまいちの感じ。
さらに、リヤトレッドを広げて、どんどん良くなってきて、タイムも前日のベストタイムが出た。この状態で、いいタイヤを履けばトップタイムまでいけそうな感触だ。
第2セッション
3番目に登録予定のエンジンを積み、新品タイヤ。
タイヤ保管の関係でタイムトライアルは新品タイヤで行かなくてはいけないので、タイムトライアルシミュレーション。
2周で入ってエアの上がりを確認する。
予想していたより上がらず、そのまま走り、1セッション目と同じタイムまで入ったが、エンジンがどうも不調。
インフィールドはタイヤのおかげかそこそこなのだが、外周区間が0.5秒くらい落ちたとの事。
さらに、エアを合わせないで走りつづけたため、右リヤタイヤのエアが上がって滑り出し、すべるためにさらにエアが上がるという悪循環が起きてしまったみたいで、ひどく荒れてしまい、ぐんぐんタイムが落ちてしまった。
シャーシセットを少しやってみても、フィーリングはいいけどタイムが徐々に落ちるといった感じになってしまった。
最後にプラグのテストをやったのだが、タイムが落ちるだけで、プラグの良し悪しもよくわからなかった。
第3セッション
ストレート区間が落ちたのはエンジンのせいだろうとおもわれたが・・・。
メイン予定のエンジンを乗せ、リヤタイヤは左右を入れ替えた。
しかし、思いのほかストレート区間が伸びない。
ブレ−キングでもとまり切れなかったりといまいち。
やはりリヤタイヤがつらい。それとストレートが伸びないのは・・・エンジン変えてもそれほどよくならない。
となるとシャーシ側に問題があるのか??? 原因不明だ。
う〜ん・・・T.T.を前にして、悩みモードに入ってしまった。
T.T.
いよいよ、レースが始まる。
金曜はタイムトライアル。
ワールドカップではタイヤはパークフェルメという場所に保管され、レースが終わるまでそこから持ち出すことはできない。朝一でタイヤを搬入し、一時保管解除になって、ホイールを組むのだが、その時間を忘れていた。
ちょっと慌てる。
さらに、車検だが、出場台数が多いだけに、列も長く時間がかかる。
車両申告書も英語とイタリヤ語だけ・・・わから〜ん。
なんだかんだとばたばたして、ストレートが伸びない問題の究明も後回し。
出走順はランダムに決められ34番目。
3時過ぎの出走になるので、やや日がかげって来て、やや不利か?まあ、そんなに変わらないでしょう。
結局3セッション目でタイムが上がらなかったのは、2セッション目でエアが上がってブローしてしまい、1〜2コーナーでグリップしなかったからということになり、エアをやや下げることにした。
3セッション目で若干かえていたフレームセットも戻した。
だんだん出走順が近づく。
今回は電光板が観客席側を向いているので、他の人のタイムはわからない。
いつもの事ながらタイトラまえは緊張する。
ちょっと震えてる。
緊張で失敗したことも数知れない。
こんなことではダメだ。今回は本当に最後なんだ。タイトラでも自分の走りをしたい!!
しかし、深呼吸しても、普通通りに行けばいいんだって思っても、順位は気にしないって思っても緊張は収まらない。突っ込みすぎたらとか、コースアウトしたらとか、悪いイメージも浮かんでくる。
この緊張感を楽しむくらいでなきゃ、ドライバーなんてやってらんないよな〜。やっぱドライバーに向いていないのかな〜なんてことが頭をよぎる。
そこまで考えて、ドライバーなら自分の目の前のコーナーをうまく走るのが仕事だよなって思った。
カートの脇に座って、ピットロードの出口をにらんだら、気持ちが落ち着いてきた。
なぜかタイトラ前に1周のウォームアップが与えられた。でも、無くても大丈夫だったな。今回は。
1周目は部分的に飛ばしながらタイヤのグリップを確認。
アタックラップに入る。
練習通りに走ったが、2周目に突っ込みすぎてちょっとミス。
それでも今回のレースウィーク通してのベストが出た。
フレームの動きも滑りにくく前にけっていく感じがあり、いい。
エアも狙ったとおりに上がっていて、久しぶりにそこそこいいタイトラができた。
タイムトライアルが全部終わるまで車検場でまたされた。
一体何のためにやってるんだかよくわからないルールが結構あるなぁ。日がかげって寒くなってきた。
結果は42台中の6位。
トップとの差は0.3秒、2位との差は0.1秒以内。
台数を考えれば、結構いいでしょう。
それに先は長い。
練習での調子から考えれば上々だ。
これで予選ヒートは2回とも4位でスタートできる。
現金な我がチームは舞い上がって、6位くらいで勝ったような浮かれよう(私も含む)。
レースが終わらないうちに浮かれるのはイヤなのだが、最近運が悪いだけに浮かれられるときは浮かれとこう、と思ったのだった。
土曜日
公式フリー走行
フロントホイールハブをタイヤにつけたままパークフェルメに預けてしまったため、違うハブで走ることに・・・。
でも調子いい。
タイムは37.0だが、もう少し走ればたぶん36.7までいったとの事。
とりあえずタイムとしては僅差で4番手。
予選第1ヒート(B−Cグループ)
スタートでポールが出遅れ、2位で1コーナーをクリア。
トップは序盤ペースが上がらないが、「とにかくぶつかったり、コースアウトだけはするな、順位は多少落ちてもいい」という指示だったので、抜きどころを一番安全な最終コーナー前のヘアピンに限定した。
しかし、その手前のポイントとなるS字での動きがいまいちで、ヘアピンでなかなかインにつけない。
それ以外のところではアクセルを戻すくらい追いつくのだが・・・。
2位のままでも良かったが、トップのペースも上がらないし、後ろも来ているので早めに抜かないと。
3〜4周合わせ損ねたが、やっとうまくS字をクリアして、インに飛びこむ。
しかし、たち上がりでちょっとはらんだ隙に違う2台に抜かれ、たち上がりがもたつく間にもう一台。
さらにストレートエンドでもう一台いかれてしまい、あっという間に6位。
そして集団になって走る羽目になるが、早くもタイヤがつらくなってきた。
エアが高かったようで、リヤタイヤが滑り出し、ついていけるが、抜くチャンスがこないうちにゴールとなった。
あっという間の16周だった。
予選第2ヒート(A−Cグループ)
スタートは順位キープで4位。
しかし、若干のセッティング変更がちょっと良くなかったみたいでフロントの初期応答が悪い。
さらに、エアも下げたのだが、やや日が陰って来て気温も下がったのか、上がりが遅い。
セカンドエンジンを積んだのだが、いまいちたち上がりが良くないみたい。
序盤抜かれて5位。トップがリタイヤして4位。でも、まだペースが上がらずまた抜かれる。
しかし中盤になってやっとエアが上がってきたみたい。
マシンの動きにもなれてきた。
どうもこのセッティングだと、インフィールドはちょっとつらいが、高速区間がすごく速い。
バックストレートもぐんぐん伸びるので、前のオーストラリア人を3コーナーの入り口で抜く。
ところが完全に前に出ているのに思いっきりインに切れこんできたらしくリヤタイヤと相手のカウルかフロントタイヤが接触。
その影響で外にはらんでしまい、9〜10位あたりまで大きく順位を落としてしまった。
追い上げモードに切り替えだが、インフィールドで抜いても、たち上がりがつらくて、クロスをかけられて、あっさり抜き返されてしまい、なかなかスムーズに上がっていけない。
インフィールドで抜くのはやめて、ストレートエンドにポイントを絞り、何とか7位まで挽回。
6位、7位ではプレファイナルのグリッドはつらいかと思われたが、やはり堅実に行く作戦が功を奏してかなんと6番グリッド。まあ、予定通りということで(笑)。
結局タイムは横並び。
37.2〜5の間に10数人いる。
予選では、フレームの動きの問題点がだいたい絞れたので、後はどう解決するか。
明日の公式練習にかかっている。
どうやって混戦から抜け出すか。というか、混戦に巻き込まれて沈んでいきそう・・・。
明日は抑えないで、めいっぱいで行こう。
日曜日
公式練習
予選のマシンの動きからセッティングをいろいろと検討。
今回はレース展開も落ち着いているし、冷静に抑えて走っているので、セットアップの方向もだいたいわかっている。あとは、どこを変えるか。
問題は、右リヤタイヤの摩耗。
非常に悪く、しかも荒れ出すと加速度的に減っていってしまう。
また、予選ではストレートが良かったが、勝負どころとして重要なS字の動きがいまいちだったので、そこを重点的にセットアップした。
プレファイナル
スタートは12時30分。
今日はレースウィークの中で一番暖かく、エアの設定に気を使う。周回は21周。
ワールドカップでは、ここで2セット目のタイヤを履くことになる。
スタートは順位キープで6位。
気温が高いためか、序盤からグリップが良くS字の動きもいい。
さっそく、S字の先のヘアピンで1台抜いて5位。
そのまま前の4台についていく。
マシンの動きは良く余裕があるが、うかつに仕掛けて失敗すると、順位を大きく下げることになってしまうので、慎重に間合いを取る。
後ろを見てみると、トップグループ5台がやや抜け出したような状況。
このまま引き離してからバトルをはじめることにしようと思い、待つ作戦にした。
このまま5位でもインスタートだし、決勝は31周もある。
トップから5台繋がったまま走りつづける。
しかし、タイムは僅差。
後ろとの差はあまり開かないばかりか、速いヤツが追いついてきてしまった。
バックストレートエンドでインに入ってくる。
仕方ないのでひいたのだが、なんと外側に寄せてぶつけてきた。
ラインを外すとタイヤカスだらけ。
危なくコースアウトするところだった。
おかげでトップグループと離れて単独6位になってしまう。
しかも、マシンの動きがおかしい。
当てられてアライメントが狂ったのか???
妙にステアリングが重くなり、ストレートでは右によっていく。S字の動きもおかしく、ラップタイムが0.5秒も落ちてしまう。
7位とは差が開いていたのだが、ぐんぐん近づいてきてしまい、タイヤ温存どころではない。
残り周回2周、ひやひやしたが、追いつかれずにゴール。
原因はタイヤカス。左リヤタイヤの外周がなんと12mmも大きくなっていた。
ファイナル
スタートは3時。
グリッドは6番手。
長丁場の31周のため、後半勝負ということでエアは低め。
ウォームアップラップでも、タイヤのグリップ感は悪く、序盤は苦しそうだ。
いよいよスタート。
しかし、ここに来てアウト側スタートの不利な部分がもろに出てしまった。
イン側の隊列に割り込めず、2コーナーまでアウト側を走る羽目に。
結果的に8位まで順位を落としてしまう。
しかし先は長い。
落ち着いて抜いていけば、上位には十分に届く。
トップから10何台繋がった状態で周回が続く。やはり序盤はなかなかペースが上がらず、トップグループにはついていけるが、仕掛けるまでにはいたらない。
一方、後ろからも来ていて、緊迫した状態だ。
ここをしのいでエアが上がってくれば、どんどん上がっていける手応えを感じていたので、後ろの気配をうかがい、牽制しながら前を追う。
上位も時折激しく交錯している。
10周目あたり、直前の2台が激しく左右にマシンを振る。
「やばそ・・・」と思って身構えたら案の定クラッシュ。
1台が飛びあがり、危なくぶつかるところだった。何とかよけ、順位も5位にあがったが、クラッシュを避けるためにまえの4台との差が開いてしまった。
しかし、前が開けたので思いっきり走れる。
タイヤも確実にエアが上がってきて、ペースが上げられれそう。
ここで、さっきからうるさかった後ろのやつを振りきりたい。
が、全力疾走したが、うまいことS字で合わされてしまい、ヘアピンでインに入られた。
仕方ない。6位でもいいから、後半他の奴らのタイヤがたれてきたときに、必ず抜き返せる。
しかし、2台にはいかれたくないな・・・。と思って、抜いていったやつの後ろに入ったとき、イン側にカートが見え、次の瞬間・・・・・。
そのカートは俺のマシンの左前に乗り上げ、さらに俺の前のカートに突っ込んでいった。
俺のカートは止まった。
すぐ、折れたブレーキペダルが見えた。曲げなおして再スタートできるか?と頭をよぎったが、一度折れたペダルなど、いくら曲げてもまた折れる。しかもブレーキ。あきらめるしかなかった・・・。
DNF
後半戦のこの立て続けのクラッシュ。
どう言葉で言い表していいのかわからない。
どう考えても、自分のせいとは思えないクラッシュの連続。
もうレースはやめろという神のお告げなのだろうか。
そんなものは受け入れられない!!
こうなったら意地。
倒れても倒れても起きあがっていくしかない。
絶対にあきらめない。
そうでないと、ここまでやってきたことが無駄になってしまう。
こんな結末で、自分のレース人生を終わらせるわけにはいかない。
まだ終われない。終わりにしたくない。
とはいえ来年レースに出られるかどうかわからないが。
何はともあれ、今年の1年間支えてくれたチームの皆さん、
ありがとうございました!!